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血圧管理と認知症

[2021.01.14]

高血圧が、脳血管障害を進行させ、それにより認知症を引き起こすケースがあることは、以前から指摘されています。このような、脳血管性認知症に加え、最近では、高血圧が、アルツハイマー型認知症のリスクにもなりうることが、少しずつ明らかになっています。

アルツハイマー病患者さんの脳にみられるアミロイド斑という特殊な物質は、アミロイドβとよばれるタンパク質が凝集してできたものです。アミロイドβは、高血圧などにより動脈硬化が進行するとともに脳や心臓などに蓄積し、これがアルツハイマー型認知症発症の一因となると推測されています。

認知症の予防には、特に、中年期における血圧管理が重要とされます。いくつかの臨床データで、この時期の適切な降圧治療が、将来の認知機能低下を抑制することについて示されています。

一方、高齢の患者さんにおいて、どこまで厳密な降圧治療を実施するかについては、個別の判断が重要になります。たとえば、認知機能のある程度低下した状態では、血圧を低めにコントロールすると、逆に、認知症が進行するとの報告もあります。

超高齢社会にあって、どのタイミングで、どのような血圧管理をしていくか、高血圧治療に詳しい医療機関による、より専門的な介入が必要な時代になったといえるでしょう。

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