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眼と生活習慣病

[2021.09.16]

眼科から、患者さんの血圧管理を依頼されることがあります。そのように聞くと、眼と血圧ってどんな関係があるんだろうと思われる方もいらっしゃるでしょう。

以前から、眼科の病気と糖尿病との関係は知られていました。血糖コントロールのよくない糖尿病患者さんで、失明の原因ともなりうる網膜症という眼疾患が、高頻度に合併します。そのため、糖尿病と診断された場合、定期的な眼科受診が大切になります。

加えて、近年、眼底検査で、出血を伴う網膜静脈閉塞症と診断された患者さんの大多数に、高血圧を合併していることが明らかになってきました。さらに、視力障害にまで進行した状態では、心疾患などの循環障害がからんでいることが多いこともわかっています。

網膜静脈閉塞症自体は、眼の専門家からすると、ありふれた病気のようです。ただ、そこから生活習慣病を見いだし、眼科と内科それぞれの専門的な視点から全身管理を進めていくことが、健康長寿を目指す社会において、とても重要であるように思います。生活習慣病をめぐる眼科と内科とのバトンの受け渡しが、もっと盛んになることを願っています。

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