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心不全のステージと生活習慣病

[2020.12.17]

心不全とは、病気の名称ではなく、さまざまな疾患によって心臓に負担がかかり、血液の交通渋滞を引き起こしてしまう状態をいいます。心不全は進行性のため、その診断がなされると、循環動態を整えると同時に、原因となりうる疾患をうまくコントロールしていくことが治療の柱になります。

日本循環器学会などが示した「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」によると、心不全は、AからDまでの4ステージに分類されます。注目すべきは、ステージAおよびBは、心不全症候なしの段階と位置づけられていることです。特に、ステージAについては、ステージBに分類される狭心症や心臓弁膜症といった器質的心疾患がなく、高血圧や糖尿病、動脈硬化性疾患があるだけで、これに該当します。つまり、生活習慣病のある方の多くが、心不全ステージAにあてはまるのです。

約1年前の2019年12月1日に施行された、通称、脳卒中・循環器病対策基本法は、循環器疾患の予防推進や適切な治療体制の整備を進めることで、国民の健康寿命延伸などを目指しています。みなさんの中には、たかが生活習慣病とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、放置された生活習慣病は、心不全ステージ分類B、C、Dへと進行していく危険信号かもしれません。

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