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心不全とBNP

[2022.12.01]

心不全の程度を推測したり、治療効果を評価したりするのに用いられる血液検査上の指標として、BNPがあります。BNPは、Brain Natriuretic Peptideの略で、脳性ナトリウム利尿ペプチド、わかりやすくいえば、心臓から分泌されるホルモンのことです。当院では、採血後約20分で結果がわかります。

BNP値が高いほど、心臓を中心とした循環不全が生じていることを予想できます。たとえば、ある研究では、BNP 100pg/ml以上とそれ未満とを比較すると、心血管イベントの発生率に大きな差がみられたと報告されています。一方、BNPは、肥満、腎機能、心房細動などによる影響を受けやすく、甲状腺機能亢進症などでも上昇することがあります。そのため、数値だけで、診断をつけたり、病勢を見極めたりするのは、危険です。

また、BNPと似た項目で、NT-proBNPというのがあります。BNPと同じく、心不全の指標となり、健診でオプションとして測定されたりすることもあるようです。しかし、こちらも、腎機能低下により、血中濃度が上昇するため、特に、高齢者では注意が必要です。また、基準値が、BNPと大きく異なり、BNPの約5倍となります。そのため、NT-proBNPが100pg/ml程度であっても、すぐに心不全を疑うことはないのです。

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