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学生街の名物カレーとスパイス効果

[2022.01.20]

京都市左京区の百万遍交差点を東に入った、学生街の路地裏に、かつて、大盛で定評のあった名物カレー屋がありました。底の薄い大皿に、山のようにそびえ立つライスと、その麓に添えられたやや辛口のカレールーが、学生時代の私の、おなかと心を満たしてくれました。薄暗がりの小さな店内は、大抵いつも大学生で満席でした。朝11時までに入店すれば、ホットコーヒーをサービスしてもらえることもあって、友人たちと足繁く通ったものです。

大学を卒業後、風のうわさで、その店が移転したと聞きました。しばらくして訪ねてみましたが、店の看板を見つけることはできませんでした。もうあのカレーを味わうことができない、また、空腹の貧乏学生を支えてくれた少し強面のマスターにも会えないと思うと、とてもさみしい気持ちになりました。

さて、カレーの旨みをつくりだしているのはスパイスですが、なかでもターメリックは、生活習慣病との関係で注目されています。ターメリックは、ウコンとも呼ばれ、クルクミンというポリフェノールを含んでいることから、酸化ストレスや慢性炎症が病態に関与しているとされる動脈硬化性疾患や糖尿病に対し、予防や改善効果を期待できるとする報告が多くあります。カレーのスパイス効果は、侮れないのです。

ただ、カレーだけで、健康に必要なターメリックを接種しようとすると、毎日何杯、いえ何十杯もの量を食べなければなりません。腹ぺこだった学生当時の私でも、残念ながら無理な話です。たとえ、思い出のたっぷりと詰まった名物カレーであったとしても。

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