メニュー

リリーバーとコントローラー

[2020.07.22]

「喘息が出たので、お薬をください」。持参された薬手帳を拝見すると、どうやら、発作のときだけ吸入薬の処方を希望される、気管支喘息の患者さんのようです。

気管支喘息は、気候の変化や感冒などを契機に悪化してしまうことのある、アレルギー性の炎症疾患です。夜間や明け方などに、咳や呼吸困難が突然起こり、重篤な場合、死に至ることもある、患者さんにとって、とてもつらい病気です。

当院では、発作時のお薬だけを希望される気管支喘息の患者さんに対し、発作がないときに治療を継続することこそ、大切であることをお伝えしています。なぜなら、症状の落ち着いている状態で、いかに気管支の炎症を鎮めておくことができるかによって、その後の発作の頻度や重症化の程度が左右されるからです。

発作治療薬のことをリリーバーといいます。リリーバーは、発作の改善には有効ですが、漫然と使い続けるお薬ではありません。気管支喘息自体の元となっている炎症をしっかりと抑え込むには、コントローラーと呼ばれる長期管理薬を定期的に使用していくことが重要です。コントローラーとは、長い付き合いになることが多いですが、一定期間、発作がないのを確認できれば、将来的にコントローラーから卒業することも可能です。一方、コントローラーを継続使用しても、なお、発作を繰り返すような重症例に対し、当院では、ステロイド製剤の点滴治療や生物学的製剤を用いた注射治療などを実施しています。

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME