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シュバイツアーと遅咲きの花

[2020.05.06]

幼いころ、シュバイツアーの伝記を読んだことがあります。いまも時折、ぼんやりとですが、彼の、アフリカでの医療活動の様子を描いた挿絵を思い出します。シュバイツアーは、こうした国際的な医療奉仕活動に対し、1952年度のノーベル平和賞を受けています。
シュバイツアーは、医師以外に、神学者、哲学者、音楽学者といった多くの肩書きを持っています。意外にも、医学を学び始めたのは30歳からで、神学者らしく、キリストが30歳から布教活動を始めたという故事に倣ったものといわれています。
次にシュバイツアーの伝記を目にしたのは、法学部生時代からの恩師、奥田昌道先生のご自宅にある本棚でした。偶然めくったページに記された「人の重荷を、ともに背負って生きていく」とのシュバイツアーの思いは、私が医師としての道を志した原点のひとつとなっています。
私自身、30歳を前にして、ジャーナリストから医師となる決意をしました。シュバイツアーと比べるなどおそれ多い限りですが、この遅咲きの花が、少しでも病める人たちを癒やすことのできる存在であればと願っています。

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