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科学とコミュニケーション

[2019.07.25]

大学時代の先輩で、新聞記者の三井誠さんが、今春上梓された『ルポ 人は科学が苦手 アメリカ「科学不信」の現場から』(光文社新書)を、三井さんご本人からいただき、拝読しました。トランプ政権になり、地球温暖化や進化論はでっちあげであるなど、科学的根拠のある事実を否定する風潮が広がりつつある米国の現状を、現場取材に基づいて紹介し、なぜ現代人に科学が受け入れられにくいのかという少しかたい話題について、わかりやすく解説された、読みごたえのある内容でした。

同書の最終章は、「科学をどう伝えるか」というタイトルで、科学とコミュニケーションについて触れられています。その中で、事実だけを冷徹な論理に従って説明しても、うまく伝わらない、むしろ反発を招くというジレンマに関する記述があります。事実を伝えるという行為は、信頼や共感を伴ってこそ相手に受け入れられる、また、お互いに敬意をもつことが大事であることを再認識しました。

診療の現場でも、同様のことがいえるかもしれません。私自身、患者さんに検査結果や治療方針を説明する際、教科書的な表現に終始せず、患者さんの声をしっかりとお聞きし、それぞれのライフスタイルや考え方に寄り添いながら伝えられるよう心がけています。

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