高齢者の熱中症予防とエアコン
初夏にもかかわらず30度を超える気温に、早くも熱中症予防をとの声が聞こえてきました。実際に、最近では、毎年5月ごろから、熱中症を疑う患者さんがみられるようになっています。
厚生労働省や気象庁による熱中症対策の呼びかけとして、特に高齢者に対し、エアコンの適切な使い方が重視されています。具体的には、暑さを感じなくても、室温に応じてエアコンを使うこと、1日を通じて、28度前後を目安に室温を保つこと、扇風機やサーキュレーターを併用するなどして工夫することなどが示されています。
これに対し、たしかにそれはその通りですが、ただ・・・・・・と感じてしまうことがあります。たとえば、エアコンで28度と設定しても、部屋の構造や日当たりによって、設定温度より高く感じたり、低く感じたりすることがあります。最近、AIを用いた温度設定のできるエアコンもありますが、それでも、なお、体感温度との差を感じてしまいます。また、日中にちょうどよかった設定の温度でも、夜間には寒すぎることもあり、ときに調整が困難です。ほか、エアコンの冷気自体で、いわゆるクーラー病と呼ばれるだるさを感じ、それが、熱中症によるのかどうか、鑑別が難しいこともあるかもしれません。
そもそも、エアコンの適切な使用については、エアコンを持っていることが前提となっています。しかし、2024年時点の国内での普及率は、92.5%とされ、エアコンを保有していない世帯も少なからず存在することがわかります。また、保有していたとしても、すべての部屋に設置されているわけではないでしょう。エアコンは、決して安価な買い物ではありません。
熱中症にかかると重症化しやすい高齢者の中には、認知機能や身体機能の低下により、適切にリモコン操作ができない方がいることも予想されます。そう考えると、特に高齢者の熱中症対策を実践するには、高齢者自身への呼びかけ以上に、家族やまわりの人たちへの働きかけが大切なように思えます。
