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白い家と青い町、そして、タジン

[2026.03.19]

モロッコを旅したのは、勤務医生活を終えて当院を継承するまでの、束の間の充電期間でのことでした。バックパックを背負って、旅程を決めず、気に入った町があれば、そこで宿を探す。そんな旅のスタイルは、学生時代とかわりませんでした。アフリカと西欧の文化が交差する場所で、いまも印象深いのが、白い家と青い町です。

白い家といっても、白色の建物のことではありません。モロッコ最大の都市、カサブランカは、スペイン語で白い家という意味です。新市街を離れ、旧市街を指すメディナを歩くと、異国情緒あふれるその言葉の響きを体感することができました。

また、モロッコ北部の山中にあるシェフシャウエンという町には、外壁が青く塗られた家が建ち並び、まるで地上の鏡に映し出された空のようでした。この町が気に入り、広場近くの安宿に数日間逗留し、植木鉢の並ぶ路地を散策したり、丘の上から遠景を楽しんだりしました。

もちろん、それ以外にも、ひしめく屋台からの湯気と飛び交う歓声に包まれたジャマ・エル・フナ広場のあるマラケシュや、古都フェズ、港町エッサウィラなど、それぞれ地図をかけるぐらいに歩き尽くしました。そして、そこで出会った人たちの笑顔は、帰国後あらたな舞台に立つ自身の背中を押してくれました。

そんな道中、お腹を満たしてくれたのが、モロッコ料理でした。なかでも、とんがり帽子のような独特の形をした土鍋、タジンを使った料理を提供する店を、街角でよく見かけました。タジン鍋は、ハーブやスパイスをたっぷり使って、塩分は控えめで、水をほとんど使わず調理するため、水溶性の栄養分をあまり失うことなく、また、高血圧が気になる方にもお勧めです。ちなみに、モロッコでは、国民の約9割がイスラム教徒で、宗教上の理由から、多くの人がお酒を飲まないようです。

心と体の健康に、白い家と青い町、そして、タジンはいかがですか。

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