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水毒と心不全

[2026.06.11]

昨シーズンの梅雨はあっという間にあけましたが、さて、今年はどうでしょうか。

いつも梅雨になると、体の不調を感じるという患者さんがいらっしゃいます。東洋医学では、体内に余分な水分がたまった状態を水毒と表現します。水毒のよくある症状として、むくみやだるさがあり、梅雨時の湿気が水毒を起こしやすくするため、体調不良を生じると考えられます。

水毒かどうか、簡単に評価する方法があります。鏡に写った自身の舌をご覧になってください。舌の辺縁にゴワゴワとした凹凸がある場合、水毒の所見ととらえることができます。漢方の世界では、水毒による諸症状を改善する目的で、五苓散という生薬がよく用いられています。

さて、西洋医学では水毒という用語を使いませんが、似たような病態をあらわすのが、心不全です。何らかの理由で心機能が低下し循環動態が悪化する、すなわち心不全になると、むくみやだるさを起こしやすくなります。そのため、心不全を起こしやすい、また、心不全を適切にコントロールできていない患者さんは、水毒になりやすいともいえます。

ジメッとした梅雨の暑さに、熱中症対策として、水分を普段より多めにとりがちです。もちろん、水分摂取は大切ですが、水毒や心不全になりやすい人には、冷たいお茶や水を一気に飲むのではなく、少量の白湯をこまめに補給することが勧められます。昔、シルクロード沿いにあるトルファンで、灼熱の火焔山を訪ねたことがあります。熱砂にまみれてカラカラになった喉を潤そうと、オアシスの売店でコーラを買おうとしたとき、ガイドの回族の男性が「冷たい飲み物はやめて、ぬるめのお茶にしなさい」と教えてくれたのを思い出しました。

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