多剤内服と味覚障害
[2019.10.03]
日本人の死因として、心疾患は癌に次いで多いとされます。心不全の患者さんでは、癌の患者さんと比べ、併存疾患が多い、つまり、心臓以外の病気もたくさん抱えておられる方が多いというのが特徴ともいわれます。そのため、それぞれの病気に対して出された処方が積み重なり、毎日たくさんのお薬を飲んでいる患者さんもおられます。
心不全では、味覚障害をきたしやすくなるともいわれています。ある研究で、心不全の患者さんにおける味覚障害の一因として、多剤内服が関係しているとの報告があります。この研究では、心不全患者さんのうち、多剤服用例で、そうでない場合と比べ、甘味や酸味、苦味などの感覚が明らかに低下していたとの結果が示されています。このことは、食事の摂取量とも無関係でなく、味覚障害から低栄養障害に陥り、心不全症状をより悪化させるという危険性もあります。
いまのお体に必要な薬とそうでない薬、私たちと一緒に考えてみませんか。