咳と胃酸
「最近、えへん虫が出てきて」と患者さんからお聞きすることがあります。えへん虫、そういえば子どものころ、薬用のど飴のテレビコマーシャルで聞いたことがあるような。そう、えへん虫とは、昆虫のことではなく、喉のイガイガした違和感からくる繰り返す咳症状をいいます。咳をするときの「エヘン、エヘン」という音がその名の由来なのでしょうか。
一概に咳といっても、その原因はさまざまです。細菌やウイルスの上気道感染であったり、気管支や心臓に由来した喘息であったりします。また、気温の変化やアレルギーによっても起こりえます。
そんな中、えへん虫の原因として、胃酸の逆流が少なからずあるのを忘れてはなりません。特に、長引く咳に加え、胸やけの症状があれば、逆流性食道炎による可能性を疑う必要があります。その場合、いわゆる風邪や気管支喘息のときに使われる咳止めを使っても、ほとんど効果がありません。一方、胃酸の逆流を抑えるお薬が有効で、当院でも、他院で咳止めを長く処方され続けているにもかかわらずよくならないとの訴えで来院された患者さんに、逆流性食道炎を疑って胃酸生成抑制のお薬を処方し、症状が改善したケースもあります。
当院では、新型コロナ禍以降、咳症状のある患者さんについては、感染(または疑い)外来受付時間帯に新型コロナおよびインフルエンザ両ウイルス抗原検査を実施し、いずれも陰性であることを確認の上でご希望に応じて診察室に入っていただき、身体所見やその他の検査から原因を絞り込んでいます。
