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冬の血圧と夜間の血圧

[2026.01.15]

「寒いと血圧が上がるんですか」。この時期、診察室で患者さんからこのように尋ねられることがしばしばあります。

当院では、血圧管理において、患者さん自身で記録された家庭血圧を重視していますが、冬になると、特に朝の血圧が、夏場より少し高めで推移しているケースを多く認めます。気温の低下により自律神経のうち交感神経が活性化され、動脈が縮む、また、汗をかきにくくなるため、相対的に血管内の水分が増える、これらにより動脈内にかかる圧が上昇することが原因として考えられます。そのため、この時期の血圧は、高くなりやすいのでしょう。

もちろん、血圧は、自然環境的な要因だけでなく、生活習慣によっても大きな影響を受けます。寒くなっても、適度な運動習慣を保ったり、節酒したりすることで、1年を通じて大きな変化なくコントロールされた血圧が望ましいといえます。

ところで、夏は、冬と違って逆に血圧が下がりやすいという印象をお持ちの方も多いと思いますが、夜間就寝中の血圧に限れば、実は冬場より高くなっている可能性があるのをご存じですか。日中の家庭収縮期血圧が135mmHg未満の患者さんを対象にしたある研究で、夜間高血圧が認められた割合は、春夏秋冬のうち夏が最も高かったと報告されました。夜間高血圧は、高血圧の中でも、冠動脈疾患や脳卒中発症を起こしやすくするとされており、夜間収縮期血圧が10mmHg上昇すると、これらの発症リスクが20%以上高くなるとのデータもあります。糖尿病、慢性腎臓病、睡眠時無呼吸症候群などのある患者さんでは、さらに夜間高血圧になりやすいといわれています。

このように考えると、四季ごとの血圧管理だけでなく、朝、就寝前、そして夜間と、1日を通じて血圧が適正に維持されることも、とても大切であることがわかります。

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