二十四節気と七十二候
[2025.03.13]
季節の移ろいは、私たちの暮らしを豊かに彩ります。春夏秋冬をそれぞれ6つに分け、折々の風情を漢字2文字で表現したものが、二十四節気です。旧暦の1月節、新暦では2月4日ごろを指す立春に始まり、旧暦12月中、新暦1月21日ごろの大寒に終わります。
また、二十四節気をさらに3等分し、各区分に特徴的な自然界の様子を当てはめたのが、七十二候です。こちらは、漢字を用いた短文で表記されます。
たとえば、春の風がなごり雪をさらい、緑を芽吹かせる今時は、二十四節気の啓蟄(けいちつ)にあたり、春分を迎えるまでの期間になります。七十二候でいえば、桃始笑(ももはじめてわらう)や菜虫代蝶(なむしちょうとなる)が該当します。漢字の組み合わせを見るだけで、春の花が咲きはじめる中、冬ごもりしていた虫たちが土の下から顔を出し、蝶の幼虫が羽化するさまが浮かんできます。
エアコンで暑さや寒さをしのげ、旬の野菜や魚を1年中食べることのできる現代の生活において、暦ごとの自然を肌で感じ、その恵みをいただくことを意識することは、心身の健康を整える点においてとても大切なことなのかもしれません。