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下肢の動脈硬化と血栓

[2026.06.25]

最近「足梗塞が気になる」との訴えで来院される方が相次ぎました。足梗塞という言葉を普段聞いたことがなかったので、詳しくお聞きすると、どうやら、あるテレビ番組が、足の血管が詰まることを足梗塞と表現し、気になればすぐに循環器内科を受診するように勧めていたとのことでした。

医学的には、足を含めた下肢の動脈が詰まった状態を、下肢閉塞性動脈疾患といいます。原因の多くが動脈硬化のため、最近まで下肢閉塞性動脈硬化症とも呼ばれていました。下肢の血管が細くなったり詰まったりすると、発症初期に、間欠性跛行という特徴的な症状が出現します。これは、しばらく歩くと、下肢に痛みやしびれを生じて歩けなくなるものの、歩を止めて休むと、痛みやしびれが消え、また歩けるようになるものです。脊柱管狭窄症でも似たような歩行がみられることがあり、詳細な問診や検査により鑑別します。下肢閉塞性動脈疾患に対する治療の基本は、動脈硬化の原因となる生活習慣の改善や生活習慣病の治療ですが、必要に応じて、カテーテルなどを用いた血行再建術が選択される場合もあります。

一方、下肢の血管には、動脈のほかに静脈もあります。下肢の静脈内に血栓ができた状態を、深部静脈血栓症といい、血栓部位が赤く腫れ、痛みを伴うことで疑われます。下肢閉塞性動脈疾患同様、血管内が狭窄または閉塞した状態をいいますが、病態がまったく異なります。また、治療についても、血栓を溶かすお薬が基本になります。

下肢に何らかの症状がある場合、一面的な情報のみを過度に不安がることなく、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。

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