コンセントと注射
風呂上がりにドライヤーのコンセントをさす。ちょっと聞いただけでは違和感のないこの表現、実は誤りであるのをお気づきですか。
コンセントとは、建物などに施された電気配線の末端部をいい、さし込み口のことです。そして、電気を取るためにコンセントにさし込む電化製品のコード先端部は、プラグといいます。つまり、上述の例では、コンセントをさす、ではなく、プラグをさす、が正しい表現になります。ちなみに、この意味で使われるコンセントという言葉は和製英語で、実際には”outlet socket”または”receptable”といいます。
医療の現場でも、同じように、言葉の意味をあやふやに認識してしまっていることによる誤解が見受けられます。たとえば、採血のことを注射とおっしゃる患者さんが、意外に多いことに気づきます。たしかに、針やシリンジを用いるのは共通していますが、採血は血液を採取すること、そして、注射はお薬やワクチンを体内に投与することで、そもそも出すか入れるかの大きな違いがあります。患者さんにとっては些細な違いかもしれませんが、私たち医療者が採血と注射を誤って実施してしまえば、医療事故につながりかねません。
そう、注射といえば、インスリン製剤などを処方されている糖尿病患者さんは、毎日、なかには、1日数回、体に針を刺しておられます。最近の針はとても細く、痛みを感じさせにくい工夫がなされていますが、皮膚表面にある痛みを感じさせる神経に針先が当たってしまうと、やはり痛いようです。どこに注射すれば痛くないか、コンセントのような目印があればいいのですけれど。
