すきま風と弁膜症
[2019.11.28]
ひんやりとした空気が、広葉樹の色づいた葉全体に染みわたり、晩秋の趣を感じます。木枯らしとともに入り込むすきま風も、また、寒い冬を迎える準備をするよう知らせてくれる便りのようです。
大切に使ってきた家の窓や扉も、長い年月が経てば、多かれ少なかれ建てつけが悪くなります。心臓の弁についても、同じことがいえます。心臓の中で起こるすきま風を、心臓弁膜症といいます。
心臓の中には、4つの部屋があり、上下の部屋を仕切る壁に弁があります。また、心臓から出る肺動脈と大動脈の付け根にも弁があります。これら弁の機能が衰え、弁を通過する血液の流れが悪くなることで生じるのが弁膜症で、このうち、すきま風のように血液が逆流する状態を閉鎖不全症といいます。
弁膜症は、加齢による変化だけでなく、心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患や、心筋症、感染症などによっても起こりえます。また、弁膜症の程度によって、経過観察や、お薬を使った治療、カテーテルという管を用いた治療、外科的治療など、さまざまな選択肢があります。
放置すると、心不全に至る場合もあります。むくみや息切れといった症状のある場合、まずは当院へご相談ください。