お薬とドライマウス
[2018.12.13]
口が乾いて、食事をしにくかった経験はありませんか。
口腔内乾燥症(ドライマウス)は、唾液腺そのものの異常によるほか、膠原病などの全身疾患やストレスなどで生じることがあります。また、多くの睡眠薬や風邪薬など、抗コリン作用を有するお薬の長期使用も、ドライマウスの原因となりえます。
病院勤務のころ、1日分として30種類50個以上の薬をかかりつけ医から処方されている、90歳代の患者さんを紹介いただいたことがあり、ご家族によると、薬を何とか飲ませようとすると、胸が苦しいとの訴えがあるとのことでした。特に、高齢患者さんにおける多剤併用については、ドライマウスを進行させ、食欲低下や摂食不良、それに伴う全身状態の悪化をきたしやすいことが問題視されています。
ドライマウスの改善には、多剤併用の是正や原因疾患の治療に加え、保湿、唾液腺・口腔粘膜マッサージなどが有効との報告があります。