うなぎとわらび餅
かつて、福岡県久留米市の中心街に、伝説の屋台がありました。屋台といえば、おでんやラーメンといったイメージですが、赤のれんをくぐると、そこに並ぶのは、なんとうなぎ料理の数々。
北九州市に住んでいたとき、ひょんなきっかけから、このうなぎ料理専門の屋台「あやこ」を訪ねたことがあります。気風のいいおかみさんが、1人で店を切り盛りしておられたのですが、「長年通い続けたご褒美」と、常連客らが、注文伺いから料理運びまで、自らスタッフばりにおかみさんのお手伝いをされているのが印象的でした。屋台でいただく高級食材に舌鼓を打ちつつ、そこに集う人たちと気取らない会話を楽しむことができる。それこそが、「あやこ」の伝説たるゆえんだったのでしょう。
九州には面白い屋台があるなあと時折思い出していたのですが、先日、学会で福岡市を訪ねたとき、また変わった屋台を見つけました。今度は、うなぎではなく、わらび餅です。「博多一番太鼓」は、自転車で屋台を引きながら市内を移動する営業スタイルらしく、たまたま巡り会えた幸運に感謝しつつ、順番待ちの列に並びました。最中(もなか)にたっぷりわらび餅が入っているのが定番の人気商品のようで、サクッとかむのと同時に口の中に広がるモチッとした食感が、癖になりそうでした。
そんなうなぎとわらび餅ですが、どちらも夏の定番です。うなぎには、夏バテに効果的な栄養素として、ビタミンAやBが豊富に含まれています。また、わらび餅は、暑い季節でも、涼やかな口あたりと軽い後味で、食欲をそそります。うなぎの蒲焼きでビールを1杯、食後にわらび餅なんて、なんとも贅沢な夏メニューですね。
